国教はイスラム教ですが、信教の自由は認められています。しかし、ここトレンガヌ州はマレー系がほとんど(マレー系=イスラム教です)ということもあり、イスラムワールド!毎日5回、うちの団地のスピーカーからもお祈りが始まるよ〜の合図の歌のようなもの(アザーン)←毎回アカペラ生歌 が流れます。テレビでもガンガン流れて、宗教が完全に国全体に根付いていることを感じさせられます。
                      
                         
我が町名物 フローティングモスク

お祈りはモスクでも自宅でもいいのですが、毎週金曜日の1時(だっけな?)には集団礼拝があり、男性は必ずモスクに行って、みんなで一緒にお祈りをします。


<服装>
外に出れば、
女性はバジュクロンという手首から足首までをしっかりと隠した民族衣装に、頭には髪の毛が見えないようにスカーフ(トドン)を被っています。中東では色はみんな黒で、目以外をすべて隠す人が多いようですが、ここは顔は全開でバジュ(民族衣装)の色や模様も自分で好みの布を買い、縫製屋さんで縫ってもらうので、かなり華やかでおしゃれな感じです。公式な場所のほかに外に出るときにも普通に着ます。
普段着の場合も半そではアリですが、ノースリブや裾の短いズボンは基本的にははきません。スカーフはかぶらない人もいますが、我が州は
必ずかぶるという人の方が圧倒的に多いです。なので、我々もそれなりに気を使わなければいけないわけです。ノースリブや短パンは控えています。男性は・・・自由みたいです。裸の人もときどきいたりして;;。でも短パンは見たことがないです。その代わり、ズボンではなく布(サロン)を巻いている人もいます。

首都は人種のルツボなので、何でもO.K!


 
      
断食明け祭りでおそろいの民族衣装を
着ている家族



<食べ物>

豚肉とアルコールはタブー
なので、ムスリム(イスラム教徒)の前で、豚肉が好きとかきのうお酒を飲んだなんて話は一切しません。(これが一番寂しいな;)。豚に対する嫌悪感はそりゃーすごいもので、豚を調理した過去がある鍋なども絶対ダメらしいです。喧嘩したときに使う、最悪な言葉は「豚!(バビ)」。それから、他の肉でも、ムスリムの人が処理したものでなければ食べてはいけないそうです。動物関係はいろいろとルールがあるようで、ムスリムが食べられるものは『ハラル』と呼ばれ、パッケージに『ハラル』マークが貼られていたりします。

あと、犬もなぜかものすごく毛嫌いされています。すっごく凶暴そうな野良犬も、中華街にたまっています。ムスリムの人たちが怖いのね。

中華街の野良犬君たち 橋の下で集合中 
まじでコワイです;;



<習慣>
挨拶は握手。男性は片手で女性は両手で握手をした後、胸や顔にその手をあてます。
気持ちを受け取りましたみたいな感じ。
同性同士は気軽にO.K(女性同士は仲がいい相手だと抱擁してほおとほおをつけ合うというなかなかディープな挨拶になります)。異性間の場合、女性からは求めない。男性から求められた場合、受けることはO.K。
また、食事の時も男女別のことが多いです。ちなみに食事のマナーも全く違います(右下の写真参照)。

それから、有名な
右手の法則?。食事をするとき、人と握手をするとき、物を渡すときなどは右手が基本です。
左手は不浄の手なので、トイレの時に使うそうです。
        
子供の挨拶はこんなふうに手にキスをします。
すごくかわいくて私は好きです♪



<断食>
イスラム教には『毎日5回のお祈りをすること』など、いくつかの義務があるのですが、その一つが断食です。10月に1ヶ月あります。なんでも、食欲を我慢することで、食べたくても食べられない人たちのことを理解するということと、おなかの中をきれいにすることが理由だそうです。
日が出ているときに飲食をすることはいけず、朝の5時半頃〜夜の7時半頃までです。うちの近所ではどでかい花火が鳴り、断食の始まりと終わりを教えてくれます(初日にはあまりの音にびっくりして飛び起きました;)。なので、朝に超早起きして食事をし大量に食べ、夜も大量に食べるそうです(余計に体に悪いのでは・・・と思ったりして;)。

ちなみに
断食タイムに飲食をしているところが見つかると、宗教警察がやってきて、逮捕されます戒めのためか、連日ニュースで報道されていました・・・。

妊娠中、生理中、療養中、断食の意味がわかっていない小さい子供や障害者、旅行中の人などは免除されるそうです。妊娠中や生理中だった人は断食以外の日に代替日を作って自主的に断食します。

ちなみに断食中は、マレー系の人々がぐったりしてたり、いらいらしてたりしていて、仕事になりません。喉が渇くからと言って体育もさせない学校もあったりして;;。交通事故も多いらしく;;。ムスリム以外の人も、彼らを気遣い、目のつくところで飲食は控えるので、
国中が苦しい1ヶ月となります。これが終わるとムスリムにとってのお正月『ハリラヤ(断食明け祭り)』があります。

断食中に食欲を我慢できずに、こっそり別室で食べるお子達


<男女交際>
未婚の男女が扉の閉まった場所に二人でいると宗教警察がやってきて、逮捕されます。捕まってどうするかというと、刑を受けるか結婚するか・・・みたいです。だから電気屋のおじさんが一人で修理に来たりしても、必ず扉は開けます。自分がイスラム教徒でなくても、イスラム教徒の人と二人っきりになってしまったのであれば、連行されます。ちなみに宗教警察がどうやって知るかというと、隣人の通報らしい;;おそろしや・・・。

そんなわけで、
独身の人は付き合ったとしてもプラトニックでなければならないということです。首都のKLなんかは無法地帯化しているようで、いちゃいちゃしているカップルも多く、世界基準になってきているようですが、ムスリム率90%以上を誇る我が州はかなり徹底しています。私と同世代の友達は、ボーイフレンドいた暦はみんなあるものの、手をつないだこともない人がほとんどです。三十路過ぎの独身女性ですら、「ムスリムは結婚するまでそういうことをしてはいけないの。結婚したときに初めての恋が始まるの♪」と当たり前に言います。

そんなわけで、日本でしているようなコイバナというものは一切できません。
自分もプラトニックですっていう顔で話すことになります。気分はまるで小学校高学年♪
結婚している人はやはりオトナで、「日本では結婚しなくても男女が一緒に住めるってホント?」とか「
男の人と寝たことある?」と大胆にも聞いてくる人もいます。

そんな状況下ですから、同僚の男の人と必要以上に仲良くなって話したり、、しゃべるときに日本でいる調子で「やっだ〜!」なんて言いながら、相手の腕をたたくとかのスキンシップ行為は、女性陣の総スカンを喰らうらしいです。

徹底している女子に対して、男子は軟派ヤローが多いです。抑圧された生活のせいか、歩いていると、声をかけられまくります
。「ハロー!」、「(夕方でも)オハヨー!」、「ヒューヒュー」、「アリガトー!」、「ハイハイ」、「モシモシ」。バイクに乗っていて、通過しても振り返ってじ〜っと見てくる人やら、車の窓を開けて身を乗り出して話しかけてくる人やら;;。無視です。徹底無視!!

ちなみに
ムスリムの男性は奥さんを4人まで持つことができるという恐ろしい法律があります。私は直接知りませんが、2人いる人は結構いるみたいです。なので、「二人目の嫁にならないか?」と普通に言ってくるおっさんもいるので要注意!!!
                                  

日本人とは結構違うことの多いイスラム教の文化、少しはわかってもらえましたか?
イスラム教は『過激派』の影響で怖い宗教と思われていますが、私の見ている限り、全くそんなことはありません。
それどころかいろいろな禁止事項があるだけに、日本人よりよっぽどピュアで素朴な人たちがとても多いです。むしろ日本人って自由がありすぎて汚れてるよな;;と思うこと多しです(笑)。

文化
食事は、あぐらをかいて食器を持ち上げず、手で食べるのが行儀のいい食べ方です。
日本とは正反対です;;
小学校の制服姿
小学生はまだトドンを被っていない子もいますが、中学生以上はみんな被っています